手土産やギフトの定番、コロンバンクッキー。歴史と伝統のあるお菓子として有名ですよね。でも、いざ贈答品にしようかな、と検索してみると「コロンバンクッキー まずい」なんて、穏やかじゃないキーワードが目に入って、ちょっと不安になりませんか?
「大切な人への贈答品として考えているけど、もし『まずい』なんて思われたらどうしよう…」「この前実際にもらって食べたけど、なんだか味が素朴すぎない?」「ヨックモックとかの他の定番クッキーと比べて、正直どうなの?」そんな疑問や不安を感じているかもしれません。
私自身、コロンバンは宮内庁御用達の歴史を持つ格式高いブランドというイメージがあったので、このネガティブな評価がすごく気になったんです。なぜ「まずい」なんて評価が生まれてしまうのか、その理由をじっくり調べてみました。
そうしたら、その背景には、単純な味の良し悪しではなく、コロンバンクッキーが守り続ける「伝統」と、私たちが今慣れ親しんでいる「現代の味覚」との間に、ちょっとした「ズレ」が関係していることが見えてきたんですね。
この記事では、コロンバンクッキーがなぜ「まずい」と言われてしまうことがあるのか、その具体的な理由から、贈答品としての本当の評価、そして原材料のショートニングの話まで、皆さんの気になるポイントを一つひとつ丁寧にスッキリ解説していきます。
- 「まずい」と言われる味の具体的な理由
- 「懐かしい味」と現代の味覚のギャップとは
- 贈答品としての本当の評価と歴史的背景
- 競合ブランド(ヨックモックなど)との根本的な違い
コロンバンクッキーがまずいと言われる理由〜美味しいのに!!

では早速、多くの人が一番気になっているであろう、「まずい」と感じる味の具体的な理由について掘り下げていきましょう。SNSや口コミで時折見かける「味が素朴すぎる」「パサパサする」あるいは「変な味」といったストレートな評価は、一体どこから来ているんでしょうか。コロンバンクッキーの味の個性や、製品としての特徴、原材料の側面から、その背景を詳しく探っていきます。
味が素朴でパサパサする?
コロンバンクッキーを食べたときの感想として、最もよく聞かれるのが「味が素朴すぎる」とか「食感が少しパサパサする」といった声かもしれません。
これは、近年の洋菓子トレンドと深く関係しているように思います。最近のクッキーは、口に入れた瞬間に広がる「濃厚なバターの風味」や、ほろほろと溶けるような「しっとりとした口溶け」を強く押し出したものが主流ですよね。コンビニスイーツでさえ、そのレベルは非常に高くなっています。
そうした味に慣れていると、コロンバンクッキー、特に代表的な詰め合わせである「フールセック」を食べたときに、期待していた「ガツンとくる甘さ」や「リッチなバター感」が来ないことに戸惑うかもしれません。
コロンバンは、日本で初めて本格的なフランス菓子を提供したメーカーとしての歴史があります。そのため、製品のスタイルも、どちらかというと伝統的なフランス菓子の製法を守っている印象を受けます。つまり、過度にバターや砂糖を主張させるのではなく、小麦粉本来の風味や、ナッツ、ジャムといった副素材とのバランスを大切にした味わいです。
この「上品で繊細」なバランスが、現代の味覚からすると「物足りない」「味がぼやけている」、そして食感が「パサパサする」というネガティブな評価につながってしまう可能性があるんですね。
「懐かしい味」が合わない世代
コロンバンのお菓子を語る上で、もう一つ外せないのが「懐かしい味」というキーワードです。特にバタークリームを使用したケーキなどは、その代表格として評されることがあります。
あるレビューでは、コロンバンのバタークリームロールについて、昔ながらの「少し硬め」のバタークリームを「素敵」「また食べたい」と好意的に評価していました。そして、「昔は生クリームではなくバタークリームの方がスタンダードだった」「昭和のケーキ」だと振り返っています。
そうなんです。昭和の時代、ケーキのクリームといえば、日持ちがして形も崩れにくいバタークリームが主流でした。コロンバンはその時代の第一人者だったわけです。
しかし、時代は変わり、現代はフレッシュで濃厚な「生クリーム」や、口溶けのリッチな「生チョコ」に慣れ親しんだ世代が中心です。そうした世代にとっては、この伝統的なバタークリームの「懐かしい味」こそが、かえって「古臭い」「油っぽい」「期待した味と違う」と感じさせてしまう最大の原因になっているのかも。
この「味覚の世代間ギャップ」は、コロンバンが伝統を守れば守るほど、顕著になってしまう皮肉な問題とも言えそうです。
バタークリームへの誤解
先ほどの「懐かしい味」の話とも深く繋がりますが、「バタークリーム」という言葉そのものへのイメージの違いも、誤解を生む大きな要因になっていると思います。
今、私たちが「バタークリーム」と聞いて想像するのは、パティスリーなどで見かける、バターをふんだんに使ったリッチで香り高く、口溶けのなめらかなクリームではないでしょうか。いわゆる「バタークリームサンド」なども人気ですよね。
でも、コロンバンが守ってきた伝統的なバタークリームは、そうしたものとは少し趣が異なります。レビューにもあったように、「少し硬め」で「サクッとした感じ」が特徴なんです。これは、当時の技術や保存性を考慮した、まさに「昭和のスタンダード」なスタイルだったわけです。
この食感や風味の違いを知らずに、現代のリッチなバタークリームを想像して食べると、「あれ? これがバタークリーム? なんだか思っていたのと違う…」と戸惑ってしまうのも無理はないかもしれません。
これは決して品質が悪いわけでも、手が抜かれているわけでもなく、単純に「スタイルの違い」なんですよね。でも、この前提が共有されていないと、「まずい」という短絡的な評価につながりやすいのかな、と思います。
「変な味」は酸化が原因か
もし食べたときに、ただ「物足りない」とか「古い味」というレベルではなく、明らかに「変な味」や「油臭さ」を感じたとしたら…。それはクッキーそのもののレシピではなく、あなたの手元に来てからの「保存状態」が原因かもしれません。
クッキーは焼き菓子なので大丈夫と思いがちですが、実は非常に「酸化」しやすいお菓子なんです。
なぜなら、クッキーに使われている「バター」や、フールセックの詰め合わせに含まれている「アーモンド」「ピスタチオ」といったナッツ類は、油脂を多く含んでおり、空気に触れる時間が長いとどんどん酸化が進んでしまいます。
酸化した油脂は、あの胸焼けするような嫌な「油臭さ」や、風味全体の劣化、つまり「変な味」の直接的な原因になります。特にいただきものだと、すぐに開封せずにリビングなどにしばらく置いてしまうこともありますよね。高温多湿な環境は、酸化や湿気をさらに加速させてしまいます。
賞味期限の長さと風味の劣化
「変な味」の話とも関連しますが、コロンバンクッキーって、実はすごく賞味期限が長いことをご存知でしたか?
例えば、主力商品の「フールセック」は120日間、チョコサンドクッキーの「メルヴェイユ」に至っては、なんと150日間も日持ちするんです。
これは贈答品として選ぶ側にとっては、相手の都合を気にしなくて良いので、すごく便利でありがたいポイントですよね。
しかし、この「賞味期限の長さ」こそが、「シェルフライフ・パラドックス(賞味期限の逆説)」とも呼べる皮肉な問題を生む可能性があります。
どういうことかと言うと、いくら賞味期限が120日先でも、製造してから時間が経てば経つほど、風味は確実に劣化していくということです。特に先ほど述べた「油脂の酸化」や、クッキーの大敵である「湿気」による食感の悪化は、賞味期限内であっても容赦なく進行します。
もしかすると、あなたが「まずい」と感じたクッキーは、製造からかなり時間が経過し、風味のピークをとっくに過ぎてしまったものだったのかもしれません。
クッキーの風味を守る!正しい保存方法
クッキーの美味しさをできるだけ長く保つには、「湿気」と「酸化」を防ぐことが何よりも大切です。
- 基本は「涼しい場所」で「密封」: 開封後はもちろん、未開封でも缶に入っているからと安心せず、直射日光や高温多湿を避けた涼しい場所(冷暗所)で保管するのがおすすめです。密閉容器に乾燥剤(シリカゲル)と一緒に入れるのがベストですね。
- 冷蔵庫・冷凍庫は?: 長期間食べない場合は、密閉容器やジップロックに入れて冷蔵・冷凍保存も有効です。ただし、冷凍したクッキーは室温で解凍すると結露して湿気やすいので、食べる分だけ取り出したらすぐに冷凍庫に戻し、食べる時も冷蔵庫でゆっくり解凍するか、凍ったまま軽くトーストするなどの工夫が必要かもしれません。
いずれにしても、「できるだけ早く食べる」のが一番美味しい方法であることは間違いありませんね。
原材料のショートニングは?
最近は、健康や食の安全への意識から、原材料をしっかりチェックする方も増えていますよね。そうした方がコロンバンクッキーの原材料表示を見ると、「あれ?」と気になる点があるかもしれません。
それは、代表的な「フールセック」や「メルヴェイユ」の原材料に、「ショートニング」や「植物油脂」といった記載があることです。
コロンバンの公式説明には「選び抜いた濃厚な味わいのバターをたっぷりと使用した」とあるのに、「バター以外の油脂も使っているんだ」と、イメージと違うと感じるかもしれません。
しかし、これも先ほどの「賞味期限の長さ」と密接に関係しています。バター100%で作るクッキーは風味豊かですが、コストがかかる上に、形が崩れやすく、酸化もしやすいデリケートなものです。
そこで、ショートニングや植物油脂を適切に配合することで、120日や150日という長い賞味期限に耐えうる安定性を確保し、メルヴェイユ特有のサクサクとした軽い食感を実現しているわけです。
また、「メルヴェイユ」に使われているのは「チョコレート」ではなく「準チョコレート」(植物油脂などが含まれる)です。これも、夏場でも溶けにくく、長期保存に適した品質を保つために、意図的に選択された結果と言えます。
こうした工夫は、パティスリーが作る「生菓子」としてのクッキーではなく、全国に流通する「贈答品」としての品質を担保するために必要なことなんですね。ただ、この風味の違いを「ピュアなバターやチョコの味じゃない」「安っぽい」と感じてしまうと、それが「まずい」という評価につながってしまうのかもしれません。
コロンバンは「まずい」は本当?贈答品として最適です!

さて、味の好みには「ギャップ」や「誤解」が生まれやすい背景があることが分かってきました。では、本題とも言える「贈答品」としてコロンバンクッキーを選ぶのはどうなんでしょうか。「まずい」という噂があると、せっかくのギフトが台無しにならないか、すごく心配になりますよね。
実際、東京駅などでも定番のお土産として人気ですが(東京駅限定の人気お土産ランキングの記事も参考にしてみてください)、贈る相手によっては注意が必要かもしれません。コロンバンの持つ「歴史」や、他の定番ギフトと比較した場合の「立ち位置」から、その実力をもう一度見つめ直してみましょう。
ギフトで「もらって嬉しくない」?
検索をしていると、「コロンバンクッキー もらって嬉しくない」といった、さらに直接的な検索候補が出てくることもあり、不安に拍車がかかりますよね。
もちろん、楽天などでは「もらって嬉しい」ギフトとしても紹介されているので、一概には言えません。ただ、なぜ「嬉しくない」と感じる人がいるのかを考えると、それはあまりにも「定番」すぎるがゆえの「マンネリ感」や「既視感」があるのかもしれません。
特にトレンドに敏感な方や、新しいもの、珍しいものが好きな方にとっては、コロンバンクッキーという選択が「またこれか…」「無難すぎる」という心理的ながっかり感を生む可能性は否定できません。こうしたギフト選びの「センス」を気にする方には、もしかしたら響かないのかも。(友達に贈るセンスのいいプレゼント選びの記事も、そうした視点の参考になるかもしれませんね)
ただ、これはコロンバンに限ったことではなく、誰もが知っている定番ギフト(例えばヨックモックやモロゾフなども)が必ず背負うことになる宿命とも言えます。安全牌であるがゆえの弱点、ですね。
宮内庁御用達の歴史と格式
しかし、コロンバンには、その「定番すぎる」という評価を補って余りある、他のブランドにはない圧倒的な「格」と「歴史」があります。
それが、繰り返しになりますが「宮内庁御用達」という歴史的背景です。
創業者の門倉國輝氏は、なんと1915年(大正4年)に「宮内省大膳寮員を拝命」し、天皇陛下のお料理番を務めたという、とんでもない経歴の持ち主なんです。
その後フランスで本格的に修行し、1924年(大正13年)に日本で初めて本格的なフランス菓子を提供したのがコロンバン。さらに驚くことに、私たちが今、当たり前のように食べている「ショートケーキ」を日本で初めて考案し、販売したのもコロンバンであるとされています。
日本の洋菓子史そのもの
コロンバンが守っているのは、単なる「古い味」ではなく、日本の洋菓子史の始まりとも言える「伝統の味」であり「歴史の味」なんですね。この背景を知ると、クッキー一つひとつの味の感じ方も、少し変わってくるかもしれません。
(出典:コロンバン公式サイト「創業者の歴史」)
この「日本の洋菓子界のパイオニア」であり「宮内庁御用達」であったという事実は、他のどのブランドも持ち得ない、絶対的な「格式」と「信頼性」を与えてくれます。
したがって、特に目上の方、恩師、取引先、または冠婚葬祭の返礼品など、フォーマルな場への贈答品としては、これ以上ないほどの「安心感」と「正統性」を相手に伝えることができる、非常に強力な選択肢となると言えます。
ヨックモックとの味の比較
贈答品としてコロンバンとよく比較されるのが、やはり「ヨックモック」かなと思います。この2つは、定番洋菓子ギフトの二大巨頭とも言えますよね。
そして、コロンバンが「まずい」と感じる人の多くは、無意識のうちにヨックモックの「シガール」のような、あの分かりやすい美味しさを期待している可能性があります。
両者は、似ているようでコンセプトが全く異なります。
- ヨックモック (Yoku Moku):
「シガール」に代表されるように、「濃厚なバターの風味」と「口に入れた瞬間に溶ける繊細な食感」という、五感に直接訴えかける「おいしさ」に特化しています。食べた瞬間の満足感が非常に高いのが特徴です。 - コロンバン (Colombin):
主力は「フールセック」という「詰め合わせ」です。ジャム、ナッツ、チーズなど、多種多様なフランス菓子の伝統的なスタイルを、一つの缶で楽しんでもらうことに価値を置いています。歴史や物語性、フォーマル感を重視しています。
つまり、ヨックモックの「シガール」のあのリッチなバター感を期待してコロンバンの「フールセック」を食べると、バター感は物足りなく、食感は硬く感じ、ジャムは酸っぱく、チーズは塩辛く感じる…というのは、ある意味で当然なんです。
これは品質の優劣ではなく、「製品コンセプトの根本的な違い」に他なりません。
| 比較項目 | コロンバン (フールセック) | ヨックモック (シガール) |
|---|---|---|
| お菓子の系統 | 伝統的フランス菓子(多様・詰め合わせ) | ラング・ド・シャ(特化型) |
| 味の特徴 | 素朴、繊細、小麦の風味、塩気や酸味も含む | 濃厚なバター、強い甘み、口溶け |
| ブランドイメージ | 老舗、格式、宮内庁御用達、フォーマル | 定番、人気、高級、進物 |
| 賞味期限 | 非常に長い (例: 120日) | 中程度 (例: 約60-120日) |
フールセックのチーズ味が苦手?
コロンバンの「フールセック」を食べたときに、「あれ?」「まずい!」と驚いてしまう、もう一つの具体的な原因があります。
それは、詰め合わせの中に必ずと言っていいほど入っている、「パルミジャーノレジャーノ(チーズ)」のクッキーの存在です。
見た目は他のクッキーと似ているのに、いざ「甘いクッキー」を食べるつもりで口に入れると、急に「塩気のある濃厚なチーズの味」が広がるわけです。これは、知らずに食べたら誰でもびっくりしますよね。
この予期せぬ「塩気」を、脳が「変な味!」「腐ってる?」「まずい!」と誤解してしまう可能性は非常に高いです。
実はこれ、伝統的なフランスの「フールセック(小さな焼き菓子)」の世界では、甘いものとしょっぱいもの(サレ=塩味)が混在しているのはごく一般的なスタイルなんです。ワインのお供にもなるような、大人の楽しみ方ですね。
しかし、日本の「クッキーの詰め合わせ=全部甘い」という感覚からすると、かなり異質に感じられます。この文化的な背景の違いが、「まずい」というネガティブな評価に直結しているケースも、かなり多そうだなと思います。
結論:コロンバンクッキーがまずいのか
ここまで、様々な角度から「コロンバンクッキーがまずい」と言われる理由を徹底的に分析してきました。
結論として、コロンバンクッキーは「品質が低くてまずい」のではなく、その「伝統的・本格的なスタイル」が、現代の主流の味覚や期待と「ズレ」を生んでいる、というのが私の見解です。
「まずい」と感じる主な原因をもう一度まとめると、以下の3点に集約されるかなと思います。
- ヨックモックなどに代表される濃厚なバター感を期待したことによる「味覚の期待値とのズレ」。
- 120〜150日という長い賞味期限の過程で生じた「風味の劣化(油脂の酸化や湿気)」。
- 詰め合わせに含まれる「チーズ味」など、「伝統的なフレーバーへの戸惑い(誤解)」。
これらに加えて、原材料に使われている「ショートニング」や「準チョコレート」が、ピュアなバターの味を期待する人にとっては「安っぽい」と感じる要因になっている可能性もあります。
コロンバンクッキーの真価とは
コロンバンクッキーは、「宮内庁御用達」の歴史に裏打ちされた、「日本のフランス菓子」の伝統を守るブランドです。
流行の濃厚な味や、分かりやすい美味しさを追うのではなく、素朴で繊細な風味のバランスや、多様な焼き菓子の詰め合わせを楽しむというスタイルを貫いています。
したがって、強い甘みや濃厚なバター感を最優先で求める人には、正直おすすめできません。しかし、「格式あるフォーマルな贈答品」や「目上の方への失敗のない手土産」「歴史や物語性を大切にしたい」というニーズにおいては、日本で最も信頼できる選択肢の一つであり続けると、私は思います。
もし贈答品として選ぶ際に「まずいと思われないか不安…」という場合は、「ここは日本で初めてショートケーキを作ったお店らしいですよ」とか「宮内庁御用達だった歴史があるんですって」といった、その歴史的背景やストーリーを一言添えてみると、相手の受け取り方もきっと変わってくるはずですよ。
