12月に入り、街中の空気が少しずつ年末モードに切り替わると、頭をよぎるのが「お正月のおせち料理、どうしよう?」という悩みではないでしょうか。テレビや百貨店では数万円もする豪華絢爛なおせちセットが宣伝されていますが、昨今の物価高騰でお財布の紐は固くなるばかり。「お正月気分は味わいたいけれど、そこまでお金はかけられない」「でも、あまりに貧相な食卓になるのは避けたい」というのが本音ですよね。そんな中で、主婦や節約上手な方々の熱い視線を集めているのが、圧倒的なコスパを誇る「業務スーパー」です。
「業務スーパーにおせちセットって売ってるの?」「やっぱり安すぎて味がまずいんじゃないの?」といった疑問や不安をお持ちの方も多いはず。また、実際に店舗へ行くとしても、いつ頃から商品が並ぶのか、予約は必要なのか、そしてどうやって盛り付ければ「業務スーパー感」を出さずに豪華に見せられるのか、知りたいことは山積みですよね。この記事では、業務スーパーをこよなく愛する私が、長年の経験をもとに、業務スーパー食材だけで作る「最強の自作おせちセット」のノウハウを余すことなくお伝えします。
- 業務スーパーには完成済みの重箱入りおせちセットはなく、単品購入が基本スタイルであること
- おせち商戦が本格化する販売時期や、予約不可というシステム上の注意点
- 「まずい」という評判の真偽と、買って失敗しない高評価アイテムの選び方
- 総額3000円以下でも高級店に負けない見栄えを実現する、自作おせちの裏技テクニック
業務スーパーにおせちセットはある?
まず、一番多くの方が疑問に思っている「業務スーパーにおせちセットは売っているのか?」という点について、明確にお答えしておきましょう。結論から申し上げますと、業務スーパーでは、百貨店や通販サイト、あるいはコンビニなどで見かけるような、色とりどりの料理が綺麗に重箱に詰め合わせられた「完成済みのおせちセット(重箱入り)」は、基本的には販売されていません。
「えっ、じゃあ業務スーパーでおせちは用意できないの?」とがっかりするのはまだ早いです。業務スーパーのスタイルは、あくまで「食材の提供」にあります。おせち料理に欠かせない「黒豆」「伊達巻」「かまぼこ」「昆布巻き」「栗きんとん」といった定番アイテムが、単品のパック商品として、あるいは大容量の業務用サイズとして、驚くほど豊富なラインナップで販売されているのです。
つまり、業務スーパーでおせちを用意するということは、「出来合いのセットを買う」のではなく、「豊富な単品食材の中から好きなものだけを選んで購入し、自分で重箱やお皿に盛り付けて『オリジナルおせちセット』を作る」というスタイルになります。これには、「苦手な食材が入っていない」「好きなものだけを大量に食べられる」「圧倒的に安く済む」という、既製品のセットにはない大きなメリットがあるのです。
業務スーパーおせちの予約情報を確認
おせち料理といえば、9月や10月頃から「早割予約」などが始まり、年末に向けて予約合戦が繰り広げられるのが一般的ですよね。しかし、業務スーパーのおせち商戦はこれとは全く異なる動きを見せます。基本的に、業務スーパーではおせち食材の事前予約を受け付けていません。(※一部のフランチャイズ店舗や地域特有の事情で例外がある可能性はゼロではありませんが、全国的な基本ルールとしては「予約不可」です)
これは、業務スーパーが徹底したローコスト運営を行っているため、予約管理にかかる手間や人件費を削減しているからだと考えられます。そのため、すべての商品は「店頭販売のみ」となり、お店に行って棚にあるものをカゴに入れる、というシンプルな早い者勝ちスタイルになります。
「予約しなくていいなら気楽でいいや」と思う反面、これには大きなリスクも伴います。それは「売り切れ」です。特に、年末の12月30日や31日は、駆け込み需要で店内が戦場のような混雑ぶりを見せます。人気のあるメーカーの伊達巻や、安くて質の良いかまぼこなどは、大晦日の午前中には棚から消えてしまうことも珍しくありません。「当日行けばなんとかなるだろう」と高を括っていると、メイン食材が手に入らず、スーパーを何軒もハシゴする羽目になる…なんていう事態にもなりかねません。
ここがポイント
業務スーパーにおせちの予約制度はありません。チラシや公式サイトでの告知も最低限の場合が多いため、欲しい商品は店頭で見つけたその瞬間に確保するのが鉄則です。「次に来た時でいいや」は命取りになります。
業務スーパーおせちはまずい?評判
安さが魅力の業務スーパーですが、やはり一番気になるのは「味」ですよね。「安かろう悪かろうで、お正月から残念な気持ちになるのは嫌だ」「業務スーパーのおせちはまずいという噂を聞いたことがある」と不安に思う方もいるでしょう。この点について、実際に長年業務スーパーのおせち食材を食べ続けてきた私の経験と、ネット上のリアルな口コミを分析して解説します。
正直に申し上げますと、味の評価は選ぶ商品によって大きく分かれます。「どれを買っても絶品!」とは言えませんが、「この値段でこのクオリティなら、高級品を買うのが馬鹿らしくなる」という当たり商品が数多く存在するのも事実です。
評価が分かれやすい商品:練り物系
例えば、1本数十円〜100円未満で売られている激安のかまぼこや伊達巻。これらは、一般的なスーパーで1本1000円前後で売られている高級品と比べると、どうしても魚の風味が弱かったり、食感が少し粉っぽかったり、甘みが人工的だったりすることがあります。普段から高級なかまぼこを食べ慣れている方や、素材の味に敏感な方には「まずい」と感じられるかもしれません。しかし、「おせちの彩りとしてあればいい」「子供は味の違いなんて気にしない」というご家庭であれば、十分許容範囲内という声も多いです。
絶賛されることが多い商品:合鴨・黒豆・だし巻き
一方で、業務スーパーユーザーから絶大な支持を集めている「神アイテム」もあります。その筆頭が「合鴨パストラミ」と「合鴨ロースト」です。しっとりとした肉質と本格的な味付けは、ホテルのオードブルに出てきてもおかしくないレベルで、「これがないとお正月が始まらない」というリピーターが続出しています。
また、「丹波黒種黒豆」も非常に評価が高い一品です。自分で煮ると何時間もかかる黒豆ですが、この商品は大粒でふっくらとしており、甘さも上品。1kg入りの大容量パックなどは、コスパが良すぎて驚愕するレベルです。さらに、冷蔵コーナーにある「京風だし巻き」も、出汁の風味がしっかり効いていて、冷めても美味しいと評判です。
結論として、「業務スーパーのおせち=まずい」と一括りにするのは間違いです。「練り物は好みが分かれるので、心配ならメーカー品を選ぶ」「肉類や煮豆は業務スーパーの得意分野なので積極的に取り入れる」というように、メリハリをつけて商品を選ぶことが、満足度を高める最大のコツと言えるでしょう。
おせちの販売はいつから開始されるか
では、これらのおせち食材はいつ頃からお店に並び始めるのでしょうか。業務スーパーでお正月特設コーナー(紅白の幕が張られたり、お正月用のBGMが流れたりするエリア)が設置されるのは、店舗やその年のカレンダーにもよりますが、例年12月上旬から中旬にかけてスタートすることが多いです。
しかし、ここで重要なのは「すべての商品が一斉に並ぶわけではない」ということです。商品カテゴリーによって、購入すべきベストなタイミングが異なります。これを知っておくだけで、年末の混雑に巻き込まれることなく、余裕を持って準備を進めることができます。
第1弾:11月中旬〜(冷凍食品・乾物)
実はおせち準備の賢い人は、11月から動き出しています。業務スーパーの強みである「冷凍食品」は通年販売されているものが多いため、おせち専用コーナーができるのを待つ必要はありません。 狙い目は、メインディッシュとなる「合鴨ロースト」「合鴨パストラミ」、煮物に使う「冷凍里芋」「六角里芋」「和風野菜ミックス」、彩り用の「肉団子」「有頭エビ」などです。これらは賞味期限が数ヶ月〜1年以上あるため、12月に入って品薄になる前に購入し、自宅の冷凍庫でストックしておくのが正解です。
第2弾:12月20日頃〜(日持ちする冷蔵品)
12月も後半に入ると、冷蔵コーナーにおせち関連商品が増えてきます。この時期に買っておきたいのは、真空パック詰めされた「栗甘露煮」「昆布巻き」「田作り」「黒豆」などです。これらは未開封であれば常温や冷蔵で年明けまで日持ちするものが多いため、早めに確保しておきましょう。
第3弾:12月25日〜29日(練り物・生鮮食品)
クリスマスの商品が片付けられると同時に、伊達巻やかまぼこなどの練り物が大量に陳列されます。これらは賞味期限が比較的短いため、あまり早く買いすぎるとお正月前に期限が切れてしまうことがあります(ただし最近はロングライフの商品も増えています)。 ベストな購入タイミングは12月25日から28日の間です。29日を過ぎると、帰省客や駆け込み需要で店内がごった返し、レジに30分以上並ぶこともザラにあります。また、人気商品は欠品のリスクも高まるため、遅くとも28日までには買い出しを終えておくことを強くおすすめします。
買い出しスケジュールの目安(保存版)
- 11月〜12月上旬:冷凍食品(肉類、魚介、野菜)、乾物、お餅などを購入し冷凍庫へ。
- 12月20日頃〜:日持ちする冷蔵品(真空パックの栗甘露煮、昆布巻き、ナッツ類)を購入。
- 12月25日〜28日:練り物(伊達巻、かまぼこ)、生鮮野菜、豆腐などを購入。ここがラストスパート。
- 12月30日・31日:買い忘れの補充のみ。混雑覚悟で挑むべし。
半額でおせち食材を買うタイミング
「お正月におせちがなくても死ぬわけじゃないし、とにかく安く買えるなら時期がずれてもいい」という究極の節約志向の方にとって気になるのが、おせち食材の「半額シール」が貼られるタイミングですよね。
一般的に、おせち食材が値引きされるのは「お正月を過ぎてから」、具体的には多くのスーパーが営業を再開する1月4日以降や、店舗によっては大晦日の夕方(閉店間際)です。特に賞味期限が短い伊達巻やかまぼこは、売れ残ると廃棄ロスになってしまうため、店側も必死で売り切ろうとします。運が良ければ、定価数百円の商品が半額、あるいはそれ以下で手に入ることもあります。
しかし、ここ数年は「フードロス削減」の意識が高まっており、業務スーパー側も入荷数をシビアに調整している傾向にあります。「どうせ売れ残るだろう」と高を括って年明けに行ってみたら、棚がすっからかんで何も残っていなかった…というケースも増えています。また、大晦日の夕方は「半額ハンター」と呼ばれるライバルたちが殺到するため、争奪戦になることも。「絶対に食べたいもの」は定価で早めに確保し、「あったらラッキー」程度のものは値引きを狙うという使い分けが賢明です。
業務スーパーの安いおせち食材一覧
では、実際に業務スーパーではどのようなおせち食材が、どれくらいの価格で売られているのでしょうか。もちろん価格は店舗や時期によって変動しますが、一般のスーパーと比較して圧倒的に安い「高コスパ商品」をピックアップしてご紹介します。
| カテゴリー | 商品名 | 特徴とおすすめポイント |
|---|---|---|
| 祝い肴 | 丹波黒種 黒豆 | 1kgの大容量パックから食べきりサイズまであり。自分で煮る手間と時間を考えれば、買う方が断然お得。ふっくらとしていて艶があり、皮も柔らかいプロの仕上がりです。 |
| 栗甘露煮 | 一般スーパーでは小さな瓶でも高価ですが、業務スーパーなら大瓶がお手頃価格。そのまま食べるのはもちろん、サツマイモと合わせて栗きんとんにするのに最適。 | |
| 練り物 | 紅白かまぼこ | 有名メーカー品から、1本100円前後で買える業務スーパーオリジナル(または格安ブランド)まで幅広く展開。味にこだわるなら少し高めのものを、彩り重視なら最安値をチョイス。 |
| 伊達巻 | こちらも価格帯はピンキリ。安いものでも十分に甘くてしっとりしています。お正月以外のお弁当用としても人気。 | |
| 惣菜・肉類 | 京風だし巻き | 冷蔵惣菜コーナーにある巨大なだし巻き卵。パックに入っていて日持ちも比較的長く、開封して切るだけで立派な一品に。伊達巻の甘さが苦手な方にもおすすめ。 |
| 合鴨パストラミ 合鴨ロース | 冷凍コーナーの絶対王者。自然解凍してスライスするだけで、高級感あふれるメインディッシュに。黒胡椒の効いたパストラミはお酒のアテに、ロースは子供にも。 | |
| 肉団子 | 500g入りの冷凍肉団子が激安。ケチャップや甘酢あんで味付けすれば、子供が喜ぶおせちの隙間埋めアイテムとして大活躍。 | |
| 煮物用 | 和風野菜ミックス | 里芋、レンコン、人参、ごぼうなどがカットされ、下茹でされた状態で冷凍されています。皮むきの手間がゼロになり、鶏肉と一緒に煮込むだけで筑前煮が完成。 |
| 昆布巻き | ニシンや鮭を巻いた太くて立派な昆布巻き。真空パックで常温保存可能なものが多く、一品あるだけで和の格式が高まります。 |
これらの商品を組み合わせるだけで、基本の「祝い肴三種(黒豆、数の子、田作り)」のうち2つ(黒豆、田作り)は簡単に揃いますし、子供が喜ぶ肉料理もカバーできます。数の子に関しては、業務スーパーでも冷凍や塩漬けで販売されていますが、価格変動が大きいため、予算に合わせて検討してみてください。
冷凍食品でおせちを作るメリット
業務スーパーでおせちを作る際、最大の武器となるのが「冷凍食品」の活用です。「おせちに冷凍食品なんて手抜きじゃない?」と思われるかもしれませんが、実は冷凍食品にはメリットしかありません。
まず第一に「コストパフォーマンス」です。生鮮食品は年末価格で高騰しがちですが、冷凍食品は年間を通して価格が安定しています。11月の安い時期に買っておけば、年末の値上げラッシュを涼しい顔でスルーできます。
第二に「保存性と利便性」です。一般的な冷蔵のおせちセットは、一度開封すると2〜3日で食べ切らなければならず、最後の方は飽きて無理やり食べる…なんてこともよくあります。しかし、業務スーパーの冷凍食材(特にバラ凍結された野菜や肉団子、スライス前の合鴨など)なら、「必要な分だけ解凍して使う」ことができます。元旦に食べる分だけ解凍し、残りは冷凍庫へ入れておけば、三が日を過ぎてからのお弁当のおかずや、普段の食事にも回せるため、食材ロスが一切出ません。
第三に「時短」です。おせち作りで最も面倒な「野菜の皮むき」や「下茹で」の手間を、冷凍野菜ミックスが全て肩代わりしてくれます。浮いた時間で、ゆっくり紅白歌合戦を見たり、家族と過ごしたりできるのは、何物にも代えがたいメリットと言えるでしょう。
国産にこだわる人への注意点と選び方
業務スーパーの商品は、「安かろう=海外産(特に中国産)」というイメージをお持ちの方も少なくないでしょう。おせちは一年の始まりを祝う大切な食事ですから、食の安全性や産地を気にするのは当然のことです。
確かに、業務スーパーの激安商品の中には中国産などの輸入食材も多く含まれています。しかし、「業務スーパー=全て海外産」というのは大きな誤解です。実は近年、業務スーパー(運営:株式会社神戸物産)は「国内自社工場」での製造に力を入れており、国産食材を使用した高品質な商品が急増しています。
例えば、人気の「宮城製粉」や「秦食品」といった関連工場で製造された商品は、国内製造でありながら、流通コストを極限までカットすることで驚きの低価格を実現しています。パッケージの裏面にある「製造者」の欄や、「国内製造」のマークをよく確認してみてください。伊達巻や昆布巻き、鶏肉の加工品などでも、国産素材にこだわった商品が見つかるはずです。
選び方のコツとしては、ただ値段を見るだけでなく、「裏面の原材料表示」を必ずチェックする癖をつけることです。「国産」と大きく書かれていても、主原料の一部が海外産の場合もありますし、逆に何のPRもしていない激安商品が実は国内製造だった、という掘り出し物もあります。アレルギーや添加物が気になる方も、裏面情報は要チェックです。
注意点
価格と産地はトレードオフの関係にあることが多いです。「絶対に国産無添加でなければならない」という強いこだわりがある場合は、一部の商品については業務スーパー以外の専門店や自然食品店を利用するなど、使い分けを検討するのも一つの手です。
業務スーパーでおせちセットを自作する
「セット商品がないなら、自分で作ってしまおう!しかも激安で!」というのが、業務スーパーおせちの最大の醍醐味であり、楽しみ方です。ここからは、買ってきたバラバラの食材をどのように組み合わせ、調理し、盛り付ければ、まるで数万円の「高級おせちセット」に見えるのか、具体的なノウハウを伝授します。
簡単にできるおせちレシピとアレンジ
「おせちを自作する」といっても、黒豆を何時間も煮たり、昆布を巻いて干ぴょうで縛ったりする必要はありません。業務スーパーの食材を使えば、「切るだけ」「詰めるだけ」「混ぜるだけ」の超簡単ステップで、本格的な料理が完成します。
1. 混ぜるだけ!黄金栗きんとん
栗きんとんを一から作ると、サツマイモを裏ごしする作業が大変ですよね。業務スーパーなら、冷凍の「サツマイモ(乱切りやスティックなど)」と「栗甘露煮(瓶)」を使います。 作り方は簡単。冷凍サツマイモを電子レンジで柔らかくなるまで加熱し、マッシャーやフォークで丁寧に潰します(滑らかにしたい場合はここでザルで裏ごし)。そこに、栗甘露煮の瓶に入っている「シロップ」を少しずつ加えて、好みの甘さと固さに調整します。最後に栗を混ぜ合わせれば完成。サツマイモの自然な甘さとシロップの照りで、黄金色に輝く栗きんとんがあっという間に作れます。
2. 和えるだけ!サーモンなます
紅白なますはスーパーのお惣菜コーナーでも売っていますが、少し豪華にアレンジしましょう。業務スーパーの冷凍「スモークサーモンスライス」を使います。 市販のなます(または千切りにした大根と人参を甘酢に漬けたもの)の水気を軽く切り、一口大に切ったスモークサーモンと和えるだけ。仕上げにイクラを少し乗せれば、料亭レベルの一品になります。サーモンの塩気と甘酢の酸味が相性抜群です。
3. 煮込むだけ!洋風ミートボール
冷凍の「肉団子」を凍ったまま鍋に入れ、ケチャップ、ウスターソース、少しの砂糖と水を入れて煮込むだけ。仕上げに白ごまを振れば、冷めても美味しい洋風おせちの一品に。ピックに刺して盛り付けると、子供たちが争奪戦を繰り広げること間違いなしです。
4. 炊飯器にお任せ!中華おこわ
おせちにお米料理を入れたいなら、業務スーパーの「冷凍中華野菜ミックス」と「豚バラ肉」、そしてモチ米(なければ普通のお米に切り餅を1つ入れて炊く)を使って中華おこわを作りましょう。具材と調味料(醤油、酒、砂糖、オイスターソース)を入れて炊飯器で炊くだけ。冷めてもモチモチして美味しく、腹持ちも良い一品です。
100均重箱への盛り付けテクニック
どれだけ美味しい料理ができても、タッパーに入れたまま食卓に出しては、お正月の特別感が台無しです。ここで活躍するのが、セリアやダイソーなどの100円ショップで売っている重箱や和風小物です。
最近の100均重箱は、黒塗りや朱塗りの本格的なデザインのものが多く、サイズも少人数用からファミリー用まで豊富です。これを使うだけで、見た目のレベルが格段に上がります。
盛り付けの基本ルール:三色を意識する
おせち料理を美味しそうに見せる配色の基本は「赤・黄・黒(または緑)」です。 ・赤:かまぼこ、エビ、人参、トマトなど ・黄:伊達巻、栗きんとん、錦糸卵など ・黒:黒豆、昆布巻き、しいたけなど ・緑:絹さや、ブロッコリー、葉蘭(バラン)など
これらの色が隣り合うように配置すると、全体が引き締まって見えます。例えば、黒豆の隣には黄色い栗きんとんを、茶色い煮物の隣には赤いかまぼこを置くといった具合です。
仕切りと高さを活用する
重箱に直に詰めると味が混ざってしまうので、「おかずカップ」や「小鉢」を活用しましょう。100均には、金色のアルミカップや、和柄の紙カップが売っています。汁気のある黒豆やなますは小鉢や柚子の皮を器にして入れると、特別感が出ます。 また、平べったく詰めるのではなく、「高さを出す」ことを意識してください。かまぼこや伊達巻は少し斜めに立てかけるように重ねて並べると、立体的で豪華に見えます。
仕上げの魔法:飾りをつける
最後に、100均で売っている「お正月用のピック」や「南天の葉(造花)」、「祝い箸」を添えれば完璧です。これらがあるだけで、業務スーパーの食材が「高級料亭のおせち」に変身します。
合鴨などのおすすめ商品をチェック
自作おせちにおいて、お重のセンターを飾る「主役」は非常に重要です。業務スーパー食材の中で、その重責を担える絶対的エースが「合鴨パストラミ」と「合鴨ロースト」です。
これらは1パック約190g前後で冷凍販売されており、価格は200円台〜300円台(時期により変動)という驚異の安さです。解凍方法は、食べる前日に冷蔵庫へ移してゆっくり解凍するか、急ぎの場合は流水解凍でもOK。半解凍くらいの状態でスライスすると、薄くきれいに切ることができます。
合鴨パストラミ:表面にたっぷりの黒胡椒がまぶされており、ピリッとした辛さがアクセント。ビールや日本酒のおつまみに最高です。 合鴨ロースト:癖のない醤油ベースの味付けで、脂の甘みが際立ちます。辛くないので小さなお子様でも美味しく食べられます。
これらを少し厚めに切って扇状に並べたり、クラッカーに乗せてカナッペ風にしたりするだけで、おせちが一気に華やぎます。他にも、ブロック状の「吊るしベーコン」や「焼き豚」、スライス済みの「スモークチキン」なども、ボリュームを出したい時におすすめです。
実際に買った人のブログや口コミ
これから業務スーパーでおせち食材を買うなら、先人たちの知恵を借りない手はありません。実際に業務スーパーの商品を購入し、おせちを作った人たちのブログやSNSの投稿は、情報の宝庫です。
InstagramやX(旧Twitter)、YouTubeなどで「#業務スーパーおせち」「#業スーおせち」「#100均おせち」といったハッシュタグで検索してみてください。そこには、公式カタログには載っていないリアルな盛り付け例や、意外な食材の活用アイデアが溢れています。
「この練り物は色が薄いから、飾り切りにした方が映える」「この煮豆は量が多いから、残りはパンケーキに入れた」といった具体的な感想や失敗談は、商品選びの大きなヒントになります。特に、写真付きの投稿は、パッケージの中身の量や大きさを確認するのに非常に役立ちます。私も毎年、SNSで見かけた素敵な盛り付けを真似して、少しずつアップデートしています。「こんな組み合わせがあったのか!」という新しい発見は、おせち作りのモチベーションを上げてくれますよ。
子供も喜ぶ洋風おせちのアイデア
伝統的な和風おせちは、日本の食文化を学ぶ良い機会ですが、正直なところ子供ウケはあまり良くないことが多いですよね。「黒豆や昆布巻きばかりで食べるものがない」と子供がふてくされてしまっては、楽しいお正月が台無しです。そんな時は、思い切って業務スーパーの食材で「洋風おせち」や「子供用オードブル重」を作ってしまいましょう。
業務スーパーは、子供が大好きな冷凍揚げ物やお肉のお惣菜が宝庫のように揃っています。
| ジャンル | おすすめ食材と活用法 |
|---|---|
| 揚げ物 | エビフライ、チキンナゲット、フライドポテト おせちのタブーなんて気にせず、子供が好きなものを詰め込みましょう。エビフライは「腰が曲がるまで長生き」という縁起物としても通じます。 |
| 肉料理 | こだわり生フランク、ハンバーグ、ミートボール 解凍して焼くだけのフランクフルトはボリューム満点。ハンバーグは小さく切ってピックに刺せば食べやすくなります。 |
| 魚介・サラダ | スモークサーモン、ポテトサラダ(1kg) 業務スーパー名物の「1kgポテトサラダ」は、ハムやキュウリを足してアレンジ自在。スモークサーモンはチーズと一緒に巻いても◎。 |
| デザート | 冷凍大学芋、ゴマ団子、プチ大福、チーズケーキ 甘いものがあれば子供のテンションはMAXに。自然解凍で食べられる冷凍スイーツはお重の隙間埋めに最適です。 |
これらを重箱の一段、あるいはワンプレートに盛り付けるだけで、子供たちが喜んで箸を伸ばす「最強のおせち」が完成します。無理に伝統にこだわらず、家族みんなが笑顔で食卓を囲めることが、何よりのお祝いですよね。
総額2000円台でおせちを作る方法
では、いよいよ核心に迫ります。業務スーパーの食材を駆使して、本当に安く、かつ見栄えの良いおせちを作るにはどうすればいいのでしょうか。私が実際に試算した、「総額2,000円台(税抜)で作る、基本の3段重風おせちセット」の購入シミュレーションをご紹介します。
| カテゴリー | 購入食材 | 概算価格(税抜) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 一の重 (祝い肴) | 黒豆(大パック) | 約300円 | 余ったら冷凍保存やお菓子作りへ |
| 伊達巻 | 約300円 | 安価なPB商品を選択 | |
| 紅白かまぼこ(2本) | 約200円 | 1本100円前後のものを2色 | |
| 栗甘露煮(瓶) | 約200円 | サツマイモ(約100円)と合わせてきんとんに | |
| 二の重 (焼き物) | 合鴨パストラミ | 約250円 | メインディッシュ。1パックで十分な量 |
| 肉団子(500g) | 約180円 | 半量を調理に使用 | |
| 昆布巻き | 約150円 | 1本入り真空パック | |
| 三の重 (煮物) | 和風野菜ミックス | 約200円 | 冷凍。下処理済みで便利 |
| 鶏もも肉(1枚) | 約300円 | 煮物用にカットして使用 | |
| その他 | 彩り野菜(絹さや等) | 約400円 | 100均の飾りなども含む予算 |
| 合計金額 | 約2,480円(税込 約2,678円) | ||
いかがでしょうか。これだけのラインナップを揃えても、税込で3,000円でお釣りが来ます。一般的なスーパーで同じものを揃えようとすると、かまぼこと伊達巻だけで2,000円近くいってしまうこともありますが、業務スーパーならここまでの節約が可能です。
もちろん、これは一例ですので、予算に余裕があれば「有頭エビ」を追加して豪華にしたり、逆に「鶏肉」を「ちくわ」に変えてさらにコストを削ったりと、アレンジは自由自在です。浮いたお金で、少し良いお酒を買ったり、お年玉を弾んだりできるのも、激安自作おせちの大きなメリットですね。
業務スーパーのおせちセットで正月へ
今回は、業務スーパーの商品をフル活用して、賢くお得に、そして豪華にお正月を迎えるための「自作おせち術」について、徹底的に解説してきました。
業務スーパーには、見栄えの良い箱入りの「おせちセット」は売っていません。しかし、それを補って余りある「激安」「大量」「時短」という魅力的なメリットを持った食材たちが、所狭しと並んでいます。定番の「黒豆」や「伊達巻」はもちろん、食卓の主役となる「合鴨」や、調理の手間を劇的に減らす「冷凍野菜」を上手に組み合わせることで、誰でも簡単に、総額3000円以下で立派なおせち料理を作ることができます。
「まずい」という不安に対しては、口コミで評判の良い「当たり商品」を選ぶことや、好みに合わせてアレンジを加えることで十分に回避できます。また、年末の殺人的な混雑や売り切れを避けるために、冷凍食品を中心に「11月からの早めの準備」を心がけることが成功への近道です。
「おせちは高いから」と諦めていた方も、今年のお正月はぜひ業務スーパーを味方につけてみてください。手間とお金を上手に節約しつつ、家族みんながお腹いっぱい笑顔になれる、素敵なおせち料理で新年をお祝いしましょう。
